しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

『ファイナルファンタジー10』

外国語の勉強のためにゲーム実況を見始めて、しまいには再び自分でもゲームをやるようになってしまった。『ファンタジーファンタジー10』を(英語で)やったので、ちょっとその感想。

 

ファイナルファンタジーX/X-2 HD Remaster - Switch

ファイナルファンタジーX/X-2 HD Remaster - Switch

 

 

最初は日本語でやっていたのだが、FF10はこれで何回目かのプレーで、そのためかかなり序盤で続ける気がなくなってしまい、しかしswitch版を5000円以上出して買ったものだから、どうにか新鮮な気分にしようと思って言語を英語に変更したら楽しくなってラストダンジョンまでは進めることができた(しかし再び、敵が強くなったりして面倒になって、残りはプレイ動画を見て済ませて、ソフトは売ってしまった)。

システム面について言うと、戦闘システムはかなり楽しいのだが、ランダムエンカウントはやはりめんどい。スフィア盤も面倒だった。装備品やら召喚獣やらの強化もほとんどやらなかった(やらなくてもクリアは出来るぐらいの難易度なのだろうが)。今回再プレイしてみて意外に思ったのが、システム面は全体的に玄人好みする感じで、キャラの育成を本気になって、時間をかけてしたい人にとってはかなり面白いのだろうが、カジュアルなプレーヤーには結構重いであろうことだった。

そしてもっと意外だったのが、今やるとストーリーが大して面白く感じないこと。いや、プロットはまだしもなのだが、演出がかなりダサかったり、そもそもカットシーンが多すぎるように感じた。そしてプロット(ストーリーの展開)もあまり良くできているとは言えないのでは?一番気になったのが、どいつもこいつも(大した理由なく)色々なことを秘密にしていること。究極召喚をするとユウナも同時に死ぬことや究極召喚にはさらにもう一人の犠牲が必要なことなど……もちろん、我々の現実世界では何となく言いにくいからずっと言えずに何十年も経った、なんてことさえざらにあるだろうが、フィクションの世界だとどうも大した理由なく秘密にしてるのは違和感がある。もっと言うと、秘密主義のキャラクターたちが普通に嫌いなってしまった。もちろん、何となくの恐れから何かをためらうというこういう態度を乗り越えるというテーマもあるにはあったのだが。

それにしても、FFのファンタジー設定の荒唐無稽ぶりは(皮肉ではなく)素晴らしい。ファンタジーの設定というのは、ともすると何かのメタファーとして読みとられたりと、真面目になってしまいがちだか、FFではちゃんと「妄想」レベルに留まっている感じがする。それもかなりこねくり回された妄想で、話の筋は「夢の住人が夢の外に出て、その夢を見ている何者かを倒して自身も消えてしまう」(あるいはジェクトの場合は「夢の住人が夢の外に出て、その夢を守っている強大な魔物になってしまう」という永久機関ぶり!)というややこしいものでありながら、しかし何か高尚な、例えばメタフィクション論のようなものを跳ね飛ばすバカバカしさがある。こういうバカバカしさをすごい規模で実現しているのがFFのいいところだ(再び言うと、皮肉ではない)。