しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

『エミールと探偵たち』

『エミールと探偵たち』(原題“Emil und die Detektive”)をドイツ語で読んだ。

 

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

 

 

飛ぶ教室』や『点子ちゃんとアントン』、はたまた大人向けの『ファービアン』など、ケストナーの作品はこの一年で随分と(ドイツ語の勉強のために)読んだ。ケストナーは主に児童書で知られているが、しかし彼の作品は厳密に言うと「子どもが読む本」(児童書)というよりか「子どもについての本」という気がする。もちろん子どもが読めるように作られているのは間違いないが、しかしその実、子どもを客観視できる人、つまり大人でなければ面白みがわからないのでは、と思うことも多々ある。例えば今作『エミールと探偵たち』では、子どもたちが探偵の真似事をしている場面が可愛らしく、明らかに読み手にそう思わせるのを狙っているが、しかし当のこれを読むような子どもがエミールたちを「可愛らしい」などと思うことはないだろう。そう思うのは大人だけだ。

(もっとも、逆に「可愛らしい」と思うのは私が大人だからに過ぎないのかもしれない。子どもたちはもっとストレートに楽しむのかもしれず、「可愛らしく」思わせようなど端から意図されていなかったのかもしれない。)

ともあれ、安定したケストナー・クオリティであった(マザコンぽさが多少目につくようになってきたが)。前も書いたかも知れないが、ドイツ語の勉強のためなどに読む場合、最初は『点子ちゃんとアントン』あたりがいいと思う。

 

Emil Und die Detektive

Emil Und die Detektive

 

 

Puenktchen & Anton

Puenktchen & Anton