しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

『アイリッシュマン』

アイリッシュマン』をみたのでちょっと感想。
f:id:hr-man:20191207222056j:image

最近は映画はあまりみていないが、スコセッシの新作なのでこれは見なければと思って、しかしネットフリックスには入ってないので、劇場で見たのだった。4時間近い映画を休憩なしにぶっ続きでみるのは流石にしんどかった。

内容は、基本スコセッシのマフィアもの(『グッドフェローズ』『カジノ』など)と大差ないと思ったが(とはいえ、過去作はどれも最近見返していないので絶対とは言えないが)、今作の特徴を挙げるとしたら、登場人物の平均年齢が高いことと、「すべてが終わったあと」の主人公らの行く末もかなり長い尺をとって描かれていることだろう。そのため全体的な印象としては、情報量の多さはいつもと同様ながら落ち着いた(大人しい)テイストに仕上がっていたように思う。

スコセッシのマフィアものだからおもしくないわけがないが、しかし「すべてが終わったあと」をあんなに長く描写するなら、そしてスコセッシは『沈黙』のような相当よくできた宗教ものを撮ったあとなんだから、もう少し深みのあるエンディングでもよかったのではないか、とも思ってしまった。あれでは、(いつもの彼のマフィアものと同じように?)「あぁ、すべて虚しいなあ」という感じしか残らない。とはいえ、これまでろくに人生について考えてこず、火葬ではすべて終わった気がし、土葬ではまだ残ってる感じがするぐらいのことしか言えない主人公なのだから、あまり深みを期待してもしょうがないのだが。

ちなみに映画館で見る必要はないと思う。面白いが長すぎるし、大画面だからこそ強烈なインパクトを残すようなシーンがあるわけでもないから。