しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

『ポポロクロイス物語』再訪

ゲームを断捨離するなんてことはもう諦めて、『ポポロクロイス物語』の1と2を十年ぶりぐらいにプレイし、二週間ほどでクリアした。ノスタルジーで胸が痛い。

 

ポポロクロイス物語2

ポポロクロイス物語2

  • 発売日: 2000/01/27
  • メディア: Video Game
 
ポポロクロイス物語 PlayStation the Best

ポポロクロイス物語 PlayStation the Best

  • 発売日: 1996/07/12
  • メディア: Video Game
 

 ポポロクロイスシリーズ、特に『ポポロクロイス物語2』は『MOTHER3』に次ぐ私のお気に入りにのゲームで、涙なしにはプレイできない。イベントの演出やボイスアクティングがところどころ恥ずかしかったり幼稚だったりアニメアニメしてたりしてなかなか厳しいところもあるのだが、それも含めてスタルジー。とにかく、主人公のピエトロ王子とヒロインのナルシアの恋愛模様に涙がポポロ。。

しかし、この胸が締め付けられるような気分のままではいたくないので、ここではあえて冷静にポポロクロイス物語の欠点をあげつらってみようと思う(もちろん、私にとってはそんな欠点があっても「私の人生のゲーム」であることに変わりはないのだが)。

私が今回いちばん気になり、物語を楽しむノイズになってしまったのは、ナルシアおよび黄金の鍵の設定についてだった。『1』ではナルシアは森の魔女という設定で、森の魔女は海水に触れると泡になってしまうから黄金の鍵を使って変身する、ということだったのだが、『2』では実はナルシアは妖精族であることが判明する。そして、その後のシリーズの続編(便宜上『3』『4』と書く)での設定からして、公式としてはナルシアが泡になってしまう理由は(森の)妖精族であることなのだ。この点でまずひっかかるのは、一つはナルシアの姉(では実はないのだが)ギルダがしきりに言っていた「森の魔女は海水に触れると泡になる」という話は、ナルシアに、お前は妖精族なのだ、と言えないから言った嘘にすぎないのか、ということ。これは一応筋が通っているが、『1』の時点では少なくともそういう意図的な嘘には聞こえないから、結構なノイズになってしまい、私としては、それでも嘘なのだ、嘘なのだ、とプレイしながら自分に言い聞かせなければならなかった。そして『3』『4』つまりピノン世代もプレイしたものとしては、黄金の鍵を使っているところを人に見られると魔女の力を失うという罰則にもかなりの違和感がある。というのも、第一に黄金の鍵は魔女に対してではなく妖精族に対して罰則を持っていないといけないからであり、そして第二に『3』と『4』では別のキャラが黄金の鍵を使うのだが、彼女は見られてもお咎めなしだからである。そして私はまた心の中で設定の瑕疵(?)を擁護する羽目になってしまう。例えば、ナルシアが罰を受けた時点で、その罰則は未来永劫解除されたのだ、とかなんとか。。(それでもなお、なぜ罰則が魔女の力を失うことなのかの説明はできないだろう。実は失ったのは魔女の力ではなく魔法力なのだ、みたいなことを言わない限り)

ともあれ、ナルシアおよび黄金の鍵周りの設定はおそらくどこかの時点で製作者たちによって改変され、それが原因でひどく複雑、というより作品ごとに矛盾したものになってしまっているのは、どうやら間違いないようだ。しかも、これはシリーズ全体のお話の根幹にかかわっているだけでなく、特に私の大好きな『2』における最重要・感動シーン(ナルシア泡化)を素直に見れなくさせてしまうという意味において、決定的な欠点といって差し支えない(もちろんそれで、私がこのシーンに涙しなくなる、ということもないのだが)。

この欠点を見ない方法を私は昔プレイした時、そして今回プレイしている間、かなり考えたように思うが、それはつまるところ次のように思い込むことだと結論付けた:

『3』『4』をなかったことにする。つまり、ナルシアは“森の魔女だから”泡になったのである。ナルシアは妖精族の森魔女という存在で、妖精族であることは泡になったこととは関係がない。森の魔女が海水に触れたら泡になるのは、たぶん森の魔法を使う代償かなにかだろう。ナルシアは『2』の最後で、自分は森の魔女ではないかもしれない、と言っているが、それは誤解である。森の魔女は種族ではない。

あぁ、こうやって書きなぐることで私のこのゲームに対するオブセッションを軽減できますように! やっぱりノスタルジーは危ないなあ!

 

*ちなみに、初めてプレーする人におすすめなのは、もちろん『1』『2』と順番にやりことですが(『ポポローグ』はやらなくていいでしょう)、『1』は結構難しい(というか快適じゃない)ので、ダイジェスト版であるPSP版でストーリー進行的に『2』の直前までやって、それから単品の『2』をやるのがおすすめかも。