であ・あいんつぃげ

こんにちは……

『ファービアン』または“DER GANG VOR DIE HUNDE”の途中経過

ケストナーの『ファービアン』を読んでいる。いや正確に言うと、『ファービアン』の完全版である“DER GANG VOR DIE HUNDE”を原書で読んでいる。完全版というのは、『ファービアン』は(ケストナーの意に反して)けっこう文章を修正・削除されている版らしく、それを題名と共にもとの形に戻したのが“DER GANG VOR DIE HUNDE”(『破滅』とでも訳せようか)だという。

今、一日20ページ(大体2章分)のペースで頑張って150ページぐらいまで読み、しかもオーディオブックも買って一日の終わりにその日に読んだ分を聞いているが、そろそろ脳のキャパシティ・オーバーだ。ドイツ語を見るだけでなんだか気持ち悪くなってくる。

しかしこの本、ドイツ語の勉強をしたい人にも単純に本を楽しみたい人にもおすすめできる。同じ著者の児童書群と比べても文法的にはそこまで難しくないし、オーディオブックも省略なしのものが手に入る。まだ最後まで読んでいないが、これまでのところ物語はすこぶる面白い。戦間期のベルリン(だったっけな?)が舞台なので風俗が乱れに乱れ、明るい話とは言い難いがポンポン話が進むし、一場面一場面が面白く描かれているので飽きない。

全て読み終わったらまたちゃんと感想を書きたいが(しかし書くかわからないが)、今なんとなく思っているのは、ケストナーと私が敬愛するスタインベックを比べるのは価値有ることなのでは、ということだ。二人が生きた時代は大体重なるし、「文学にしては面白すぎる」点も共通している。ただ、二人の道徳観はかなり違うのではないだろうか。ケストナーといえば、猥雑なものは結局救い難いとして切り捨てて清い者たちの物語を書くが、スタインベックはというと逆に、猥雑なものに聖なるものを見る。いや、これはちょっと単純化しすぎかもしれない。特に『ファービアン』に関して言うと、主人公も汚れから逃れられていない。だが、やはり汚い(とされている)ものを汚いものと見ていることに変わりはないであろう。昔はスタインベックのような態度に圧倒的に共感したものだが、今はどうだろう? ちょっとわからない、というか、どうでもよくなったのかもしれない。

さぁ、残りを読まなければ。

 

Der Gang vor die Hunde

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Der Gang vor die Hunde/CD

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ファビアン――あるモラリストの物語

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