しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

抜粋1

シュティルナーの『唯一者とその所有』からの好きなところ抜粋(拙訳)。

事物の裏側で自身を見つけたように、もっと言えば自身を精神とみなしたように、私は後々には思想の裏側にも私を発見する、すなわち自らを思想の創造者・所有者とみなす。精神的な時期においては思想が頭を超えて育っていった、そもそも思想は頭が産んだものだったのだが。高熱に伴う幻覚のようにそれは私に纏い付いて、私を揺り動かす、ぞっとするような力だ。思想はそれそのものだけでありありと存在するようになり、神や皇帝や教皇や祖国などのような幽体となった。私がそれらの存在感を切り裂く時、私はそれらを私のものの中に引き戻すのであり、そして言うのだ、私だけがありありとあるのだ、と。そして今や私は世界を捉える時、私に現れるものとして、私のものとして、私の所有物としてみるのだ。私はすべてを私に関連付ける。

簡単に言うと、子供は事物の背後に抽象的な・観念的なものを見出し、そっちを重視することで青年となり、その青年が観念的なものの裏側に自分を発見する(つまり、自分がいなければその観念も存在しないと気づく)と大人になる。