しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

『名探偵ピカチュウ』

『名探偵ピカチュウ』を見た(まさか見ることになるとは思わなかったのだが)。 しかし、なかなか楽しめた。なぜ楽しめたかの説明は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の時に書いたこと(『アベンジャーズ/エンドゲーム』 - しゅばいん・げはぷと)の繰り…

ホワイトノイズマシン瞑想のすすめ。

私はヴィパッサナー瞑想を日々実践しているが、瞑想中の騒音の対処についてなかなか苦慮している。私の場合、騒音は具体的に言うと(一番ひどいのは)いびきだ。私のアパートはボロボロの木造なので、下の階の住人のばかでかいイビキがダイレクトに聞こえて…

『存在してしまうことの害悪』について、その2

前回の記事(「無」の種類(『生まれてこない方が良かったーー存在してしまうことの害悪』について) - しゅばいん・げはぷと)で私は、存在と無の比較というものは、実はできるようでできないのではないか、あるいは、できるかできないのかもよくわからない…

「無」の種類(『生まれてこない方が良かったーー存在してしまうことの害悪』について)

『生まれてこない方が良かったーー存在してしまうことの害悪』は結局、すべて読みきれなかった。確かに、苦痛と快楽が非対称だという主張には、著者も書いている通り絶対的な根拠は与えられないだろうが、曲がりなりにもそのことを主張しているのだから、も…

『アベンジャーズ/エンドゲーム』

『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見た。うん、面白い! とはいえ、私のアメコミ映画に対するスタンスがちょっと歪んでいるのは否定できない。というのも、私は最近真面目な(というかリアリスティックな)映画にまるで興味がなくなり、むしろ「無意味な」…

『バースデー・ワンダーランド』

原恵一の最新作『バースデー・ワンダーランド』だが、つまらなかった。原恵一ファンとしてはかなりショックな出来と言わざるを得ない。 実を言うと前作の『百日紅』も全然面白いと感じなかったのだが、今作は輪をかけてひどい。『百日紅』はまだ短編の積み重…

『ファイナル・スコア』面白いよ!

『ファイナル・スコア』を見た。面白かった。 ああ、本当に「面白かった」の一語に尽きるような単純な作品であって、言うことがほぼ何もない、スタジアム版の『ダイ・ハード』である。去年公開された『スカイスクレイパー』も面白かったが、それと同種の作品…

ゲーム実況英語(外国語)勉強法

最近、有名な「瞬間英作文」のテキストを結構やったりと、英語に力を入れている。 どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK) スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング それと並行して、長い休みだったので、ゲームの実況プレイ(プレ…

『THE GUILTY/ギルティ』は相当よい(し、重い)

『THE GUILTY/ギルティ』を見たが、傑作だと思った。 映画のタイトル通り「罪」を巡る物語だが、これがかなりよくできている。恐るべきことに、罪の起源まで観客にわからせてしまう。キーワードはもちろん「蛇」である。 『ギルティ』という題で、「蛇」と来…

『ファースト・マン』

デイミアン・チャゼル監督の『ファースト・マン』を堪能した。 世界の外を目指す男の話なのに、その彼こそがもう決定的に世界の外などないと観念していて、にもかかわらず月に行くのだがやはりそこもまた世界のうちに過ぎなかったと確認する、そんな物語だと…

ドイツ語学習者+哲学好きには朗報だ。

Hitoshi Nagai: Penetre und ich (1), 11. Januar 2019 - YouTube ネルケ無方師が永井均氏の『子どものための哲学対話』をドイツ語に訳して安泰寺のホームページに載せ、また、1〜3対話訳すごとにYoutubeにそれについてのコメントをあげている。私なんかはド…

『生まれてこないほうが良かった 存在してしまうことの害悪』誤訳報告

生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義 出版社/メーカー: すずさわ書店 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 『生まれてこないほうが良かっ…

おしい!!どうして!!『サスペリア』

リメイク版『サスペリア』を見た。元のは見ていない。 欠点は大きすぎるほど大きく、「おしい」作品であるが、にもかかわらず良いところが良すぎるので傑作であると言わざるを得ない、その意味でもこちらの心を「引き裂く」ような作品であった。 よい点は説…

瞑想本紹介

マインドフルネス瞑想についての中々おすすめの「参考書」、それがこれ↓ 〈目覚め〉への3つのステップ: マインドフルネスを生活に生かす実践 作者: ラリー・ローゼンバーグ,藤田一照 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2018/10/25 メディア: 単行本 この商品…

『ミスター・ガラス』は一線を超えて……

シャマランは結構好きだが、『ミスター・ガラス』は微妙だった。 今作を見るにあたって『アンブレイカブル』と『スプリット』を見たのだが、初見だった『スプリット』にはやられた。(世評に反して?)『ヴィジット』がつまらなかったこともあり『スプリット…

『クリード 炎の宿敵』

『クリード 炎の宿敵』(『クリード2』)を見た。泣き濡れてしまった。 しかしまぁ、欠点から言うと、前作から感じていたことだが、ロッキー(シリーズ)にはあったストーリー・テリングのタイトさとシンプルさは失われ、冗長に感じた部分もあるにはあった。…

『ゲルマニア』

『ゲルマニア』をドイツ語でついに読み終えた……。長い戦いだった……。 ゲルマニア (集英社文庫) 作者: ハラルトギルバース,Harald Gilbers,酒寄進一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/06/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (34件) を見る 歴史もの…

『ワイルド・ストーム』

『ワイルド・ストーム』を見た。ほっこりした。 ここまで何もない映画というのも最近は珍しい。ラストの見せ場がマッドマックスから美学を抜いたようなあれだったのはただただ愉快(事前に予想できていてもよそさそうなのに、私は全く予想だにしていなかった…

vs.『欲望会議』〜この本は自己批判して(しまって)いるか〜

『欲望会議』(千葉雅也、二村ヒトシ、柴田英里)を読んだ。思うところがあるので、ちょっと感想(というか批判)を書いてみようと思う(とはいえ、最初から軽いものを読む気持ちで読んだのだから、文句を言う必要、または権利さえ実は全くないのだが……)。 …

ドイツ語マラソン途中経過

ゲルマニア (集英社文庫) 作者: ハラルトギルバース,Harald Gilbers,酒寄進一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/06/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (34件) を見る 最近は長い休み中なので、また懲りずにドイツ語で長い小説を(休み中に読み終…

2018年ベスト映画(+ブログ名変更)

ブログ名を変更した。 それはいいとして、今年(2018年)のベスト映画(おすすめ映画)を5本上げようと思う。基本的にはこのブログに書いたものから。(ちなみに、ブログに感想を書かずとも観た映画は結構あるが、大抵は何か書くほどのものではなかった、つ…

『アリー/スター誕生』に泣く

『アリー/スター誕生』を見た。泣いてしまった。 とはいえ、監督(ブラッドリー・クーパー)のセンスがとりわけいいとか、話し運びがとりわけうまいとか、そんなことは思わなかった。むしろ、二三回あった無駄にシンメトリーな画面構図のシーンやぶつ切りに…

『来る』

『来る』を見た。つまらなかった。 前半の妻夫木始めこの世界の住人のクソさを見せつける辺りは、確かにかなりよかった。みんながみんな「嘘」を生きているということを観客に画でわからせてしまうあたり、(たとえ怖くなくとも)この調子なら面白くなりそう…

『へレディタリー/継承』が怖くない理由

大評判だったので『へレディタリー/継承』をかなり楽しみにして見に行った。面白くなくはなかったが、怖くはなかった。 そう、面白かったとは言っていい。前半に起きる惨事からの一連の展開は、はっきりと最悪である(という形で面白い)。しかし、ホラー映…

『ボヘミアン・ラプソディ』

クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見た。私はノレなかった。 と言って、私が楽しめなかったのは当然といえば当然で、(ある意味で)私が悪い。というのも、私はクイーンのファンではないのだから。見に行った私がどうかしていたのだ。禁煙して…

陰惨(気)な『ギャングース』

『キャングース』を見た。あまりにも陰惨で、陰気で、見るのが辛くなった。 とはいえ、こうも映画内に暴力が溢れているのは、暴力描写というものが監督は好きなのだろうという身も蓋もない動機を考えないことにするなら、一種の誠実さが理由なのだろう。つま…

最高な『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』を見た。めちゃくちゃ面白かった。先の読めない展開、善も悪もクソもない剥き出しの暴力、淡々としているようでいて緊張感のある演出……しかしまぁ、『イコライザー2』のときも思ったが、こういうひたすら面白い映画…

『エミールと探偵たち』

『エミールと探偵たち』(原題“Emil und die Detektive”)をドイツ語で読んだ。 エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018)) 作者: エーリヒ・ケストナー,ヴァルター・トリアー,池田香代子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 …

『ヴェノム』とマインドフルネス

『ヴェノム』を見た。つまらなかったことは間違いない。アクションの半端さ、コメディの半端さ、ストーリーのどうでもよさ…… とはいえ、この映画にとっては全く本質的な事ではないが、しかし考えるべき点がないではなかった。それを一言で表現してみれば、心…

ファスビンダー作品を「楽しむ」

最近、たまたまファスビンダーの『ベルリン・アレクサンダー広場』をたまたま見返しており、これまたたまたま同監督の『13回の新月のある年に』『第三世代』がユーロスペースでやっているというので見に行った。 といって、私は特にファスビンダーのファンと…