しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

ドイツ語原書マラソン『はてしない物語』篇・途中経過

コロナで仕事がなく金がないこともあって、ゲームからは距離を置き(「見る」ことはあっても「やら」ない)、またドイツ語で読書を始めた。ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』である。ゲームから離れてファンタジー不足気味だったので、面白く読んでい…

『仏教3.0を哲学する バージョンⅡ』

『〈仏教3.0〉を哲学する バージョンⅡ』を読んだ。 〈仏教3.0〉を哲学する バージョンII 作者:藤田 一照,永井 均,山下 良道 発売日: 2020/02/25 メディア: 単行本 今回(バージョンⅡ)の目玉はなんと言っても永井均のカント解釈の部分であろう。特に客観的世…

『怠惰への讃歌』バートランド・ラッセル

バートランド・ラッセルの『怠惰への讃歌』という一つの短いエッセイを、英語の勉強もかねて原文で読んだ。(エッセイ集の題でもあるようだが、私が買ったのはこのエッセイだけで、100円程度だった) 怠惰への讃歌 (平凡社ライブラリー) 作者:バートランド …

『ニュー・アース』

エックハルト・トールの『ニュー・アース』の原書を英語の勉強も兼ねて読んだ。 ニュー・アース 作者:エックハルト トール 出版社/メーカー: サンマーク出版 発売日: 2013/07/19 メディア: Kindle版 A New Earth: The life-changing follow up to The Power …

もしもまだ本が偉いと言えるなら……

私は「本だからこそ(あるいは映画だからこそ、あるいはゲームだからこそ)できることがある」といったような言説にはあまり惹かれない、もっと言うと面白くないと感じる。いや、もちろんメディアごとに出来ることと出来ないことが(大きく)異なっているこ…

「無」の種類(『生まれてこない方が良かったーー存在してしまうことの害悪』について)

『生まれてこない方が良かったーー存在してしまうことの害悪』は結局、すべて読みきれなかった。確かに、苦痛と快楽が非対称だという主張には、著者も書いている通り絶対的な根拠は与えられないだろうが、曲がりなりにもそのことを主張しているのだから、も…

『生まれてこないほうが良かった 存在してしまうことの害悪』誤訳報告

生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義 出版社/メーカー: すずさわ書店 発売日: 2017/11/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 『生まれてこないほうが良かっ…

瞑想本紹介

マインドフルネス瞑想についての中々おすすめの「参考書」、それがこれ↓ 〈目覚め〉への3つのステップ: マインドフルネスを生活に生かす実践 作者: ラリー・ローゼンバーグ,藤田一照 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2018/10/25 メディア: 単行本 この商品…

『ゲルマニア』

『ゲルマニア』をドイツ語でついに読み終えた……。長い戦いだった……。 ゲルマニア (集英社文庫) 作者: ハラルトギルバース,Harald Gilbers,酒寄進一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/06/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (34件) を見る 歴史もの…

vs.『欲望会議』〜この本は自己批判して(しまって)いるか〜

『欲望会議』(千葉雅也、二村ヒトシ、柴田英里)を読んだ。思うところがあるので、ちょっと感想(というか批判)を書いてみようと思う(とはいえ、最初から軽いものを読む気持ちで読んだのだから、文句を言う必要、または権利さえ実は全くないのだが……)。 …

ドイツ語マラソン途中経過

ゲルマニア (集英社文庫) 作者: ハラルトギルバース,Harald Gilbers,酒寄進一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/06/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (34件) を見る 最近は長い休み中なので、また懲りずにドイツ語で長い小説を(休み中に読み終…

『エミールと探偵たち』

『エミールと探偵たち』(原題“Emil und die Detektive”)をドイツ語で読んだ。 エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018)) 作者: エーリヒ・ケストナー,ヴァルター・トリアー,池田香代子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 …

ドイツ語マラソン(ミステリー篇)

『法人類学者デイヴィッド・ハンター』をドイツ語で読み終えた(ドイツ語題は“DIE CHEMIE DES TODES”だが、そもそもこの本はもともと英語で書かれたもので、英題は“THE CHEMISTRY OF DEATH”である)。ミステリーである。 法人類学者デイヴィッド・ハンター (…

一人称と三人称

最近は相変わらず『法人類学者デイヴィッド・ハンター』のドイツ語版(“DIE CHEMIE DES TODES”)にかかりきりだ。知らなかったのだが日本語訳でどうやら500ページ近くあるようで、わりとすぐに読み終えられるだろうと思っていた私は、甘く見ていたと言わ…

最近考えた外国語勉強法

最近のドイツ語の勉強。どれが面白いドイツ語の本かを調べるのがめんどくさかったので、省略のされていない(ungekürztと検索)オーディオブックがある本を選んだ。たしか、アマゾンの検索結果の一番上に出てきたのが“DIE CHEMIE DES TODES”で、問題なさそう…

『小さい魔女』を(原書で)読んだ

またドイツ語で(児童書だが)本を読んだ。オトフリート・プロイスラーの『小さい魔女』(“Die Kliene Hexe”)である。ドイツ語のレベルとしては、おそらくケストナーの児童書よりも簡単だと思われる。が、ケストナーのほとんどの児童書が「大人も読める」(…

永井均の新刊を(頑張って)読んだ!

世界の独在論的存在構造: 哲学探究2 (哲学探究 2) 作者: 永井均 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2018/08/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 永井均の新刊の『世界の独在論的存在構造 哲学探求2』を読んだ(それにしても、冗談みたいに哲学…

『ファービアン』を読了

大体二週間を使ってケストナーの『ファービアン』(原題“DER GANG VOR DIE HUNDE”)を読んだ。ドイツ語の原書である。かなり厳しい戦いだったが、一日20ページぐらい読み、どうにか気が狂う前に読み終えることができた。 ドイツ語でケストナーによる児童書…

『ファービアン』または“DER GANG VOR DIE HUNDE”の途中経過

ケストナーの『ファービアン』を読んでいる。いや正確に言うと、『ファービアン』の完全版である“DER GANG VOR DIE HUNDE”を原書で読んでいる。完全版というのは、『ファービアン』は(ケストナーの意に反して)けっこう文章を修正・削除されている版らしく…

ケストナー『五月三十五日』感想

ケストナーの『五月三十五日』を原書("Der 35. Mai")で読んだ。ケストナーの児童書はこれで3冊目。どうやら日本語版は絶版らしいが、結構よかった。 5月35日という実際にはない日に、主人公の少年とその叔父が南太平洋へと馬に乗って旅をする。目的地に至…

ドイツ語原書マラソン

約10日ほど休みがあるので、その間にドイツ語の原書を一冊読もうと計画した。予定していた本(ケストナーの"Der 35. Mai")が休みの初めに届かなかったので、うちにすでにあった(そして昔挫折した)同じ著者の”Das fliegende klassenzimmer”(『飛ぶ教室…

高橋ヨシキさんについて

今、シュティルナーの『唯一者とその所有』の原書読みをまた再開した。といって、ケストナーの“Der 35. Mai”が届くまでの短い期間だが(間違えて変な業者に頼んだせいでなかなか届かない)。ともあれ、『唯一者〜』は電子書籍で読んでいるのだが、そのkindle…

Amy Cross "Stephen"

Amy Crossの"Stephen"を読んだ。英語である、ホラーである。前回の記事(ホラー作家Amy Crossを知る者(たち?) - であ・あいんつぃげ)が4月24日だから、ちょびちょび読んだ結果読み終わるのに少なくとも2ヶ月以上はかかったことになる(どう考えたっ…

ドイツ語de.『点子ちゃんとアントン』!

ケストナーの『点子ちゃんとアントン』を原書で読んだ(原題“Pünktchen und Anton”)。もちろんドイツ語の勉強のためである。 点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫) 作者: エーリヒケストナー,Erich K¨astner,池田香代子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: …

『反哲学史』の感想

木田元『反哲学史』を読んだ。 反哲学史 (講談社学術文庫) 作者: 木田元 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2000/04/10 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (27件) を見る 正直、読む前に予想していた主旨から一歩も出なかったと…

『影をなくした男』

シャミソーの『影をなくした男』を読んだ。 影をなくした男 (岩波文庫) 作者: シャミッソー,Adelbert von Chamisso,池内紀 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1985/03/18 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (28件) を見る もと…

ホラー作家Amy Crossを知る者(たち?)

日本人でホラー作家Amy Crossを知っているのは、いや少なくとも一冊まるまる読んだのは私だけではないかと密かに得意になっているのだが、間違っているだろうか? 何しろ英語だし、それにあちらでも(そこがどこか知らない。英語圏であることは間違いないが…