しゅばいん・げはぷと

こんにちは……(全てネタバレ)

映画

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』を見てきた。評判ほどおしろくはなかった(がつまらなくはなかった)。 見せ場は相当たくさんあるのに(特に前半)物語は鈍重な印象が拭えない。人々があるものを巡って対立するというシンプルなストーリーラインのはずな…

『ジョジョ・ラビット』

『ジョジョ・ラビット』はいい映画だった。 映画の内容そのものにはなんの文句もないのだが、あえて気になるところを挙げるとすれば、原作との関係である。この作品はアカデミー賞の脚色賞を受賞したわけだが、原作の紹介文やレビューを読んでみたところ、か…

『AI崩壊』

入江悠監督なので『AI崩壊』見てきた。タイトルがダサ過ぎるけど(『新幹線大爆破』的なノリなのだろうが。。)、結構良かったと思う。 とはいえ、この手の「スーパーIT技術飽和映画」の宿命としてのバカっぽさから逃れることは出来ていなかったが。つまり、…

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(原題の直訳は『ドン・キホーテを殺した男』。原題の方が、当たり前だが、いい)を見た。かなり好きな作品となった。 本題に入る前にちょっと気になることがあるので書いておくと、この作品を見てる間中、一つ飛ばした…

『パラサイト 半地下の家族』

ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』を見てきた。ほんのちょっと感想。 コメディとしては結構笑ったし話の意外性などを考えれば、確かにかなりの良作であったのは間違いない。しかし、これは完全に趣味の領域だが、私としてはどうせやるんなら『…

傑作『サマー・オブ・84』

なんとなく気になって見に行った『サマー・オブ・84』はとてつもなく面白かった。 本当に「面白い」の一言に尽きるが、更に何か言うとするなら、久しぶりにストレートにハラハラドキドキ、怖がらせられたなぁ!ということ。どうやら監督は複数人のチームっぽ…

『チャイルド・プレイ』

『チャイルド・プレイ』のリメイク(リブート?)を見たが、微妙だった。 オリジナル版のストーリーは全く覚えていないが、想いのほかハラハラさせられ、とても面白かったことだけは覚えている。今作には痛そうな場面はあったが、そのようにハラハラさせられ…

この夏のバカ映画2本立て

『ワイルド・スピード スーパーコンボ』 言わずと知れた『ワイルド・スピード』シリーズのスピンオフ。バカ映画であることはわかっていたが、そのことをもはや隠そうとさえしない、厚かましいほどのストーリーの稚拙さにはさすがに閉口。そこは曲がりなりに…

『ハウス・ジャック・ビルト』

ラース・フォン・トリアー監督最新作『ハウス・ジャック・ビルト』を見た。なんと、途中退席してしまった(ある意味、とてもいい客)! たぶん、映画を見る前にしこたまご飯を食べたのと、最前列で見たために常に顔をあげていなければならなかったからだろう…

『旅のおわり世界のはじまり』

『旅のおわり世界のはじまり』は、最近見た映画の中では一番面白かった。とはいえ、良くできた作品とは言えない。黒沢作品の中でもとりわけ変な映画だった(とはいえ再び、それがマイナスポイントにならない凄さが黒沢清にはあるのだが)。 黒沢清監督の映画…

『貞子』

『貞子』を観た。(もちろん?)微妙だった。 文字がまともに読めない人用か、わざわざネット上のカキコミを読み上げたり、記憶力がない人が観客であることが前提なのか、回想シーンを律儀にいちいち入れてくる辺りは、まぁおいておこう。所々よかったと思っ…

『名探偵ピカチュウ』

『名探偵ピカチュウ』を見た(まさか見ることになるとは思わなかったのだが)。 しかし、なかなか楽しめた。なぜ楽しめたかの説明は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の時に書いたこと(『アベンジャーズ/エンドゲーム』 - しゅばいん・げはぷと)の繰り…

『アベンジャーズ/エンドゲーム』

『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見た。うん、面白い! とはいえ、私のアメコミ映画に対するスタンスがちょっと歪んでいるのは否定できない。というのも、私は最近真面目な(というかリアリスティックな)映画にまるで興味がなくなり、むしろ「無意味な」…

『バースデー・ワンダーランド』

原恵一の最新作『バースデー・ワンダーランド』だが、つまらなかった。原恵一ファンとしてはかなりショックな出来と言わざるを得ない。 実を言うと前作の『百日紅』も全然面白いと感じなかったのだが、今作は輪をかけてひどい。『百日紅』はまだ短編の積み重…

『ファイナル・スコア』面白いよ!

『ファイナル・スコア』を見た。面白かった。 ああ、本当に「面白かった」の一語に尽きるような単純な作品であって、言うことがほぼ何もない、スタジアム版の『ダイ・ハード』である。去年公開された『スカイスクレイパー』も面白かったが、それと同種の作品…

『THE GUILTY/ギルティ』は相当よい(し、重い)

『THE GUILTY/ギルティ』を見たが、傑作だと思った。 映画のタイトル通り「罪」を巡る物語だが、これがかなりよくできている。恐るべきことに、罪の起源まで観客にわからせてしまう。キーワードはもちろん「蛇」である。 『ギルティ』という題で、「蛇」と来…

『ファースト・マン』

デイミアン・チャゼル監督の『ファースト・マン』を堪能した。 世界の外を目指す男の話なのに、その彼こそがもう決定的に世界の外などないと観念していて、にもかかわらず月に行くのだがやはりそこもまた世界のうちに過ぎなかったと確認する、そんな物語だと…

おしい!!どうして!!『サスペリア』

リメイク版『サスペリア』を見た。元のは見ていない。 欠点は大きすぎるほど大きく、「おしい」作品であるが、にもかかわらず良いところが良すぎるので傑作であると言わざるを得ない、その意味でもこちらの心を「引き裂く」ような作品であった。 よい点は説…

『ミスター・ガラス』は一線を超えて……

シャマランは結構好きだが、『ミスター・ガラス』は微妙だった。 今作を見るにあたって『アンブレイカブル』と『スプリット』を見たのだが、初見だった『スプリット』にはやられた。(世評に反して?)『ヴィジット』がつまらなかったこともあり『スプリット…

『クリード 炎の宿敵』

『クリード 炎の宿敵』(『クリード2』)を見た。泣き濡れてしまった。 しかしまぁ、欠点から言うと、前作から感じていたことだが、ロッキー(シリーズ)にはあったストーリー・テリングのタイトさとシンプルさは失われ、冗長に感じた部分もあるにはあった。…

『ワイルド・ストーム』

『ワイルド・ストーム』を見た。ほっこりした。 ここまで何もない映画というのも最近は珍しい。ラストの見せ場がマッドマックスから美学を抜いたようなあれだったのはただただ愉快(事前に予想できていてもよそさそうなのに、私は全く予想だにしていなかった…

2018年ベスト映画(+ブログ名変更)

ブログ名を変更した。 それはいいとして、今年(2018年)のベスト映画(おすすめ映画)を5本上げようと思う。基本的にはこのブログに書いたものから。(ちなみに、ブログに感想を書かずとも観た映画は結構あるが、大抵は何か書くほどのものではなかった、つ…

『アリー/スター誕生』に泣く

『アリー/スター誕生』を見た。泣いてしまった。 とはいえ、監督(ブラッドリー・クーパー)のセンスがとりわけいいとか、話し運びがとりわけうまいとか、そんなことは思わなかった。むしろ、二三回あった無駄にシンメトリーな画面構図のシーンやぶつ切りに…

『来る』

『来る』を見た。つまらなかった。 前半の妻夫木始めこの世界の住人のクソさを見せつける辺りは、確かにかなりよかった。みんながみんな「嘘」を生きているということを観客に画でわからせてしまうあたり、(たとえ怖くなくとも)この調子なら面白くなりそう…

『へレディタリー/継承』が怖くない理由

大評判だったので『へレディタリー/継承』をかなり楽しみにして見に行った。面白くなくはなかったが、怖くはなかった。 そう、面白かったとは言っていい。前半に起きる惨事からの一連の展開は、はっきりと最悪である(という形で面白い)。しかし、ホラー映…

『ボヘミアン・ラプソディ』

クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見た。私はノレなかった。 と言って、私が楽しめなかったのは当然といえば当然で、(ある意味で)私が悪い。というのも、私はクイーンのファンではないのだから。見に行った私がどうかしていたのだ。禁煙して…

陰惨(気)な『ギャングース』

『キャングース』を見た。あまりにも陰惨で、陰気で、見るのが辛くなった。 とはいえ、こうも映画内に暴力が溢れているのは、暴力描写というものが監督は好きなのだろうという身も蓋もない動機を考えないことにするなら、一種の誠実さが理由なのだろう。つま…

最高な『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』を見た。めちゃくちゃ面白かった。先の読めない展開、善も悪もクソもない剥き出しの暴力、淡々としているようでいて緊張感のある演出……しかしまぁ、『イコライザー2』のときも思ったが、こういうひたすら面白い映画…

『ヴェノム』とマインドフルネス

『ヴェノム』を見た。つまらなかったことは間違いない。アクションの半端さ、コメディの半端さ、ストーリーのどうでもよさ…… とはいえ、この映画にとっては全く本質的な事ではないが、しかし考えるべき点がないではなかった。それを一言で表現してみれば、心…

ファスビンダー作品を「楽しむ」

最近、たまたまファスビンダーの『ベルリン・アレクサンダー広場』をたまたま見返しており、これまたたまたま同監督の『13回の新月のある年に』『第三世代』がユーロスペースでやっているというので見に行った。 といって、私は特にファスビンダーのファンと…